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業界に奇跡を起こした「捨てないパン屋」とは!

image:ドリアン

「今日まで、毎日たくさんのパンを焼きましたが1つも捨ててません。」

みなさんは「捨てないパン屋」の話をご存知ですか?
これは広島にある『ドリアン』というパン屋さんのご主人の言葉です。

​ドリアンは広島県、広島市にある夫婦二人で営んでいる小さなパン屋さんです。
この店が業界で大きな注目を浴びています。

筆者はネット業界で働いています。全く違う業界ですが、サービスとしては通じるものがあって、とても感動しました!

今回はこの『捨てないパン屋』さんのお話をご紹介します。

まったく関係のない業界の人にも、きっと心に刺さるものがあると思うので、ぜひ読んでいただければと思います!

『捨てないパン屋』の誕生

image:ドリアン

これは『ドリアン』のご主人のお話です。いかにして捨てないパン屋となったのか。その経緯のお話です。

まだ菓子パンもつくっていた10年前。

ホームステイしていたモンゴル人の友人が、閉店時に
「余ったパンを捨てるのはおかしい」と私に言いました。

「できないよ。そりゃ俺だって一生懸命作ったものは捨てたくないよ。」
「でも日本じゃ、しょうがないんだよ!」
と、つい声を荒げてしまいました。

正しいのはその子の方なんだ。

日本の方がおかしいんだ…。
たしかに、このままでは従業員たちに満足な給料も払うことができない。

そして…
2012年に休業しました。

パン作りを修行し直すためにヨーロッパへと旅立ち、オーストリア・ウィーンの名店「グラッガー」というお店に見学を志願すると「グラッガー」の主人は私にこう言いました。

「だったら、明日の朝8時に来なさい。」

「え、8時?」

不思議に思いました。
パン職人の仕事は、朝の暗いうちから。というのが常識です。

8時からならば、きっと終わりは夜になるだろうと覚悟しました。

ところが。

「グラッガー」の職人たちの仕事は、午前中だけで終わってしまったのです。

パン生地の成形も、型抜きも無し! 日本では常識な生地の2回発酵も無し!
ただ、粉と塩と水だけを練り上げ、薪の石窯でじっくり焼き上げる。ただそれだけでした。

教わったことはただ一つ「材料の粉は、最高級のものを使うこと。」

これだけで、比べものにならないほどおいしいパンが焼けたのです!
一日15時間も働いてきたわたしは、いったい今まで何をやってきたんだろう。

帰国後、店を再開。すぐに「試作」を始めました。
まず、販売するパンは、ゴロリとした「カンパーニュ」など2種類に絞りました。

材料は、北海道・十勝産の有機栽培の小麦のみ!

輸入小麦に比べて、価格は4倍ほどもしましたが、具材を無くして原価を抑えました。
具材が無くすことで、パンの日持ちが2週間も延びました。

そして次に「働き方」も変えました。

店を開けるのは、週に三日だけ!
店は奥さんに任せて、自分は朝の4時から11時までパンを焼くだけ…。

そして「売り方」です。

焼きたてのパンは、厨房の横に並べて代金の箱を置く無人販売にしました。
売れ残ったパンは、地元の野菜移動販売などに託しました。

また、受注生産のネット販売も始め、日本全国に送れるようになりました。
それでも残ったらラスクです。

また、「うちの小麦で作ったパンが残ったら送ってください。全部買います。」
という小麦生産者からの男気あふれるメールからも勇気をもらいました。

こうして、パンを捨てない店が生まれたのです。

現在ネットでの定期購入のお客様は約100人です。

もしこれが1000人にもなれば、お店をやめても豊かに暮らしていけます。
パンを1つも捨てることなくです。

ということは、
例え一億人のお客様に嫌われても、『1000人のお客様の為に全力でいいものを焼けばよい』のです。

こうやって暮らしていける時代が、もう来ています。
マスコミの時代も終わり、みんなが一緒の時代ではなくなったのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
本質だけを追及することで、捨てない奇跡のパン屋を生み出すことができたのです!

売上を求めると、ついつい本質とは違うものを追って、ただ種類を増やそうとしてしまうものです。これはあらゆる業種でもいえることではないでしょうか。

「ただひたすらに本質をだけを追い求めることが一番大事」ということに改めて気付かされました。

​みなさんはいかがでしょうか。

​現在やっていることは、本質の追求に繋がっていますか?

今回の内容が、現在の自分を見直す良い機会になれば嬉しく思います。

また、ブーランジェリー・ドリアンへは以下のリンクからアクセスできます。ぜひご覧ください!

■ブーランジェリー・ドリアン
公式サイトへ

 

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